【絵本】『ありときりぎりす』はやしあやこ・渡辺美智雄

基本情報

文   はやしあやこ  絵 渡辺美智雄

出版  2013年

出版社 学研プラス

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内容

働き者のアリと遊び人のキリギリス。イソップのあまりにも有名なお話。

感想

この有名な話は、現在ではオチが数種類ある。またこんな短い物語であるが色々な解釈をする人がいる。本書では、キリギリスは死なないし、アリはエサをあげない。素直に読めば、アリの生き方をしよう!と子どもに訴える話である。本書のオリジナリティは、キリギリスが「天才」的な「名曲」をつくるところくらいかな。

キリギリスの生き方を「幸せには色々な形がある。キリギリスにとってはこれで幸せだった」みたいな解釈をする人が少なからずいる。この解釈をする人は、アリの生き方はつまらないという考え方が潜んでいることが多い気がする。描かれている表現だけを見れば、アリは冬以外は全く楽しそうにみえないのはたしかである。しかし、仕事には充実感も連帯感も人としての成長も含まれていることをも見逃してはいけないだろう。またキリギリスは自分だけのため、アリは自分だけではなく家族のためにも生きたという側面も見落とすべきではない。

私自身は、人間は生きてきたようにしか死ねないと考える。また人生はマラソンのようなものだと考える。さらに、若いときに好き勝手に生きてきた結果、40代以降で苦しんでいる人をわりと見ている。幼稚な人格であることが多い気がする。

自由と放縦は違う。自由とわがままは違う。現実の人生において、キリギリスの最期のような境遇になったときに心から「俺の人生に後悔はない。好きなことをやり続けたのだから!」と言えるとは到底思えない。まして、キリギリスに守るべき存在がいればなおさらである。自由には責任が伴うことを忘れてはならないと考える。