【経済】『経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』上念司

基本情報

作者  上念司

出版  2017年

出版社 KKベストセラーズ

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目次

第1章 明の景気が日本経済を左右した時代
第2章 室町幕府の財政事情
第3章 老舗「比叡山」VS新興「京都五山」
第4章 京都五山のビジネスと本願寺の苦難
第5章 信長の先駆者たち
第6章 「一向一揆」とは何か
第7章 信長の本当の業績
第8章 信長の活躍が日本を救った!
あとがき

内容

中世から信長までの時代のお金と宗教と気温について、時折現代の問題について作者の意見を述べつつ、ざっくり解説。

印象的な場面

「鎌倉時代において、支那では銅銭1貫文当たり米0.5石で交換されていましたが、日本では銅銭1貫文当たり米1石という固定レートを採用していました。」(p37)

感想

タイトル詐欺である。あとがきで色々述べているが、そんなのは読者には関係がない。まず、「経済で読み解く織田信長」の部分について、信長について述べるのは本書の4分の1に過ぎない。「シリーズ最速」だからなんだというのだろう。背景を述べる必要性はわかるが、だったらタイトルを変えろといいたい。
また、本書では桶狭間も姉川も本能寺も書いてないがそういう「定番の内容を期待していた皆さん、本当に申し訳ありませんでした」とあとがきに書いてある。そうではない。経済で読み解いていないことやタイトルとの齟齬が問題であってピントがずれている。「信長贔屓のバイアスを取り除」くとかどうでもいい。

さらに、『「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』とあるが、どこにこの考察があるのか。もちろん、本書では貨幣量についてはたびたび言及されており、宗教団体が貿易で大量に儲けていたという話はある。しかし、貨幣量の変化にも宗教にも戦争にも触れているが、関係を考察しているというほどの内容ではない。
最初の日明貿易の個所ではいくらか貨幣量についての言及はあるが、途中からは、日本史をざっくり解説したような内容であり、たまに貨幣に触れてアリバイ作りをしているようである。

大学のレポートならF評価だろう。

タイトル詐欺