『モンテ・クリスト伯』② アレクサンドル・デュマ

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基本情報

作者  アレクサンドル・デュマ 訳 山内義雄

出版  岩波書店 

出版年 1956年

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目次

一九 第三の発作

二〇 シャトー・ディフの墓場

二一 ティブラン島

二二 密輸入者

二三 モンテ・クリスト死魔

二四 眩耀

二五 見知らぬ男

二六 ポン・デュ・ガールの旅駕籠屋

二七 物語

二八 監獄の記録

二九 モレル商会

三〇 九月五日

三一 イタリー――船乗りシンドバッド

三二 めざめ

三三 ローマの山賊

三四 出現

あらすじ

ダンテスに希望と万般の知識それにモンテクリスト島にある莫大な財産の隠し場所を教えてくれたファリア司祭は死んでしまった。ダンテスは死体と入れ替わり、絶壁の島の牢獄から脱出することに成功する。逮捕されてから実に14年の歳月が流れており、風貌もすっかり変わっていた。モンテクリスト島に半信半疑でたどり着いたダンテスは、そこにファリアが言った通りの莫大な財産があることを発見する。

やがてダンテスは司祭のふりをしてカドルッスから自らの投獄とその後の関係者の話を全て聞き出す。ダンテスはまずはかつての恩人であり、今は数々の不幸から破滅寸前となり死を思っていたモレルを救う。そして、復讐のための準備に取り掛かる。その頃、ローマではアルベールとフランツが旅行を楽しんでいた。

主な登場人物

  • ダンテス‥‥ウィルモア卿、司祭、イギリス人、シンドバッド、モンテクリスト伯。
  • ジャコポ‥‥脱獄したダンテスを拾った船の船員の一人。いいやつ。
  • モレル‥‥立派な人物だが、ナポレオン派であり、不幸が重なったため没落寸前。
  • ダングラール‥‥大金持ちの男爵になる。
  • カドルッス‥‥事業に失敗し、旗駕籠屋に。
  • メルセデス‥‥18ヵ月待ったがダンテスが帰ってこないためフェルナンと結婚。
  • フェルナン‥‥色々なことをやり軍人として出世。中将でモルセール伯爵になる。
  • アルベール‥‥フェルナンとメルセデスの子ども。
  • フランツ‥‥アルベールの友達。
  • マクシミリヤン‥‥モレルの息子。
  • ヴァンパ‥‥屈強な山賊

印象的な場面

「信ずること、望むこと、これが青年の特権だ」(p18)

「これまで、いつも逆境に馴らされてきたこのおれは、いまさら絶望によって打ち倒されたりしないようにしよう。そうでなければ、いままで苦しんできたことの意味がなくなってしまう!生温かい息吹の希望によって心を度はずれに膨らますと、それがいったん冷たい現実にたちもどり、そのなかに閉じこらなければならなくなるが早いが、たちまち破れてしまわざるを得ない!」(p101)

「気高い心の持ち主よ、幸福にお暮しさない。あなたが過去でなされた、また未来においてもなされるであろう善行の恵みをお受けなさい。そして、このわたしの感謝の心も、あなたの善行と同じように、どうか表面に表れないものでありますように」(p254)

感想

人間の性質として、自分がしてあげたことはよく覚えていることが多いが、自分がしてもらったことは忘れてしまうことが多い気がする。生きていく中で空気に感謝することはそうそうないが、水中にいて息ができなくなって水面に出た時には初めて空気のありがたさをしることができる。 当たり前だと思うことに感謝はしないし、一定程度苦労しないとその大変さがわからないから感謝もしない。子が成長し親になって初めて自らの親に感謝できるように。

ダンテスは、恩人であるモレルの為に奔走し大金を投じその破滅を救った、そしてなお自らは陰から涙で感謝を伝えるだけであった。恩を知ること恩に報いることは人として美しくあるべき道だと思う。他人の恩も知らない、知っても報いようともしない生き方であっては自己中心的な人間ができあがるだけな気がする。

にしても、ダンテスは演技派。