『モンテ・クリスト伯』④ アレクサンドル・デュマ

基本情報

作者  アレクサンドル・デュマ 訳 山内義雄

出版  岩波書店 

出版年 1956年

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目次

四九 エデ
五〇 モレル一家
五一 ピラムスとティスペ
五二 毒物学
五三 『ロペール・ル・ディアブル』
五四 株の高低
五五 カヴァルカンティ少佐
五六 アンドレア・カヴァルカンティ
五七 うまごやしの囲い池
五八 ノワルティエ・ドゥ・ヴィルフォール
五九 遺言
六〇 信号機
六一 桃をかじる山鼠から園芸家を守る方法
六二 幽霊
六三 晩餐
六四 乞食
六五 家庭争議

あらすじ

モンテクリスト伯は、ヴィルフォール夫人に毒薬についての巧妙なレクチャーを行った。またダングラール及び夫人が株で儲けているからくりを知る。さらにヴィルフォールの不義の子を貴族としてつくりだす。そうして、ヴィルフォールがダングラール夫人の子どもを埋めた家を別荘とし、ここに関係者を招く。そして信号機を買収によって操作し、ダングラールに打撃を与える。関係者たちは得体のしれない恐怖におびえだし、ダングラール夫妻の関係は完全に破綻する。

主な登場人物

  • モンテクリスト伯‥‥ブゾーニ司祭。
  • ダングラール‥‥大金持ちの男爵になる。
  • カドルッス‥‥脱獄し、アンドレアになったベネデッドを脅す。
  • メルセデス‥‥18ヵ月待ったがダンテスが帰ってこないためフェルナンと結婚。
  • フェルナン‥‥エデの父を売って、財産と地位を手に入れていた。
  • アルベール‥‥美人に騙され山賊に捕まる。
  • フランツ‥‥アルベールの友達。ヴァランティーヌの許嫁。
  • マクシミリヤン‥‥モレルの息子。軍人から野菜作り。
  • ヴァンパ‥‥屈強な山賊
  • ドブレー‥‥アルベールの友達。大臣秘書官。ダングラール夫人と不倫。
  • ボーシャン‥‥アルベールの友達。新聞記者
  • ルノー‥‥アルベールの友達。マクシミリヤンを紹介する。
  • モルセール夫人‥‥メルセデス。モンテクリスト伯を一目見た時、青ざめた。
  • ベルツッチオ‥‥使用人。過去にヴィルフォールを刺す。
  • ヴィルフォール‥‥検事総長。ダングラール夫人と過去に子どもを。
  • ベネデット‥‥モンテクリスト伯により、アンドレア・カヴァルカンティとなる。
  • エデ‥‥モンテクリスト伯の横にいる美人。
  • ヴァランティーヌ‥‥ヴィルフォールの娘。マクシミリヤンと恋。フランツーの許嫁。祖父と唯一意思疎通できる。
  • エドゥワール‥‥ヴィルフォールの子、ヴァランティーヌの母違いの弟。くそがき。
  • ユージェニー‥‥ダングラールの娘。アルベールの許嫁。
  • ノワルティエ‥‥ヴィルフォールの父、ヴァランティーヌを愛する。口もきけないしうごけないが、意思表示はできる。

印象的な場面

「(王として生まれ)いままでなに一つ望んで得られなかったもののないといったような人たちには」、とエマニュエルは言った。「生きるという幸福がどんなものかわからないのでございます。同様に、荒れ狂う海に漂う小舟に命を託したことのない者には、あの澄み渡った空のありがたさがわからないのでございます」(p28)

感想

モレルは死ぬ間際に、自らに恩恵を施したのがダンテスであったことに気付いた。そのことを知ったモンテクリスト伯の感動。モレルの恩に報いんとして、さらには自分がなしたことが表面にはでないようにと願ったダンテスであったが、相手にはしっかり伝わっていた。澄んだ心の人間だからこそ気づくことができたのではないかと思う。

他方、フランス人は遊びまくりだ。当時の貴族の文化か、それとも国民性かは知らないが。澄ました格好と言動の裏に、醜い過去を持つ多くの人間。それを白日の下にさらしだそうとするモンテクリスト伯。