『さあ才能(じぶん)に目覚めよう ストレングス・ファインダー2.0』トム・ラス 訳 古屋博子

基本情報

作者  トム・ラス 訳者 古屋博子

出版  2017年

出版社 日本経済新聞出版

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ざっくり内容

多くの労働者は、現在働いている環境下において自らの得意とすることをできておらず、これらの人は意欲的・生産的に仕事を行っていない。この弊害が生まれているのは、今の社会が、強みを伸ばすのではなく、弱点を克服することに大いなる時間が割かれているからである。才能がないことに努力して時間を割くのは無駄であり、そこで描かれている美談は幻想である。人は得意分野をこそのばすべきである、そのために自らの才能を知る必要がある。この本の巻末についているコードを入力するとwebで自分の得意分野を知ることができる200問弱のアンケートを受けられ、答えると自分の5つの強みがわかるよ!

感想

本書の前半は上で述べた内容であり、8割はwebで解析を受けたうえで34の資質の中から自分に当てはまる5つについてを読むことになる。
言っていることはうなずけるところはもちろんある。人間は長所を伸ばしたほうが、短所をなくそうとするよりいいというのは納得である。あれもダメこれもダメばかりだと人間が委縮し小さくまとまってしまうと思うからだ。しかし、仮に自らの強みがわかったからといって、作者が冒頭に掲げる問題が解決するのかというと疑問である。作者は自身のバスケットボールでの努力を述べている。一日数時間をずっとバスケットの練習を続けた結果、NBA選手にもなれていないし、その2軍にもなれていないことを体験として挙げている。そしてそのNBAでの伝説マイケルジョーダンでさえ、ゴルフや野球ではマイケルジョーダンになれていないことから、得意分野でないことの努力はいばらの道だと説く。しかし、たとえばNBAの2軍にでもなる人はほぼバスケの才能と努力があったと考えられるが、彼らは1軍ではないしそのまま引退する者も多いだろう。そうすると才能と努力があったとしても、作者が冒頭であげた人たちのように「自らの得意とすることをできていない」と彼らはいうのではないだろうか。リーダーの才能があるとして、小さいお店でリーダー的役割を果たしている人と大人数のリーダーとが同じように「才能を生かせている」と本人が思うのかは疑問である。

結論すると、自らの得意分野を客観的に知れる可能性があるという意味で本書は役に立つかもしれないが、それ以上ではない。あと、商売っ気が強い。アンケートに答えるのが本書の代金2000円、さらに答えた後もさらなる云々でお金を出せばさらなるというページが紹介される。