【絵本】『焼きまんじゅうとカプチーノ』たぬましのぶ

基本情報

作者  たぬましのぶ

出版  2019年

出版社 共鳴社

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内容

焼きまんじゅう4兄弟とコーヒー5人衆との出会い。そして恋。

感想

ツッコミどころもたくさんあるが、人間のよくある傾向とその否定をうまいこと取り入れている点はいいと思う。最初にツッコミどころについて。

ツッコミどころ

まず、やはり絵本であるなら子どものためにフリガナはふるべきだと思う。そこそこ難しい漢字を使っているし。
つぎに、「はじめてみる珈琲たちはみんなカッコよく見えました!」の次のページでウインナー珈琲さんを見た目も名前も「ヘンテコ」よばわり。かっこいいんじゃないんかい!
最後に、「知らないことは恥ずかしいことじゃないわ!」というセリフは、半分正しいが半分間違っていると思う。子どもであれば知らないことはたくさんあって当然だからこれはその通りだと思う。しかし、歳を重ねていくと知らないといけないことというのは確実にある。たとえば、子どもの苦しみを親が知らないで不幸を招くことはたくさんある。だからここは正確に言うなら、「自分が知らないことを他人の意見だけで評価するのは恥ずかしいことよ!」だと思う。コーヒーを飲んだこともないのに、ばあさんのいうことを鵜呑みにしてコーヒーが好きじゃないと言うことがおかしいのである。もちろん、カプチーノちゃんの行動全体でそれを訴えているのかもしれないが、特大ビックリマーク付きのセリフならこっちの趣旨を言わせたほうがいい気がする。

おまけ。長男の「頼れる」ヤマトは全然頼れない(笑)辞典も何の伏線でもない(笑)

いいところ

ばあさんのみっちゃんがいろんな意味で人間くさいのがよい。まんじろうがコーヒーに偏見(笑)をもっていたのは、大好きで物知りなみっちゃんが「こーひーは苦くて、美味しくない」といったからである。教訓めいた話とか人格的に立派にしたければ、「私はこーひーは苦くて美味しくないと感じるけど、まんじろうくんにとっては違うかもしれないね。いつか自分で飲んでみて感想を聞かせてね」くらい言わせそうなものである。しかし、だいたいの世の中のお年寄りは断定する(笑)私がこう思ったらこうなの!という人が多い。だからこのみっちゃんは非常に人間くさい。絵では善良そうにしかみえないが。

それに、全くあてにならないヤマトは別にして、まんじろうくんは立派である。進んで挨拶をし、自らの間違いにたちまち気づき、間違いを改めることに躊躇がない。大変立派である。ヤマトはこの弟から学ぶべきである。
あと、カプチーノちゃんも偉い。初対面のまんじゅうに、いきなり珈琲は好きじゃないと言われれば怒ってもおかしくないのに、笑顔で丁寧にさとす。まんじろうくんにぴったりの器である。